2D図面を3D化したいけれど、高価なCADソフトは手が出ない…とお悩みではありませんか?実は、無料で使える優秀なCADソフトが多数あります。このコラムでは、フリーの2DCAD・3DCADソフトを厳選してご紹介。2DCADと3DCADの違いも分かりやすく解説します。目的に合ったCADソフトを見つけて、図面を自在に操りましょう。
無料で図面を3D化できるソフト5つ
3Dモデリングの世界へ踏み出したいけれど、どのソフトを選べば良いのか悩んでいませんか?ここでは、2D図面を3D化できる無料のCADソフトを紹介し、その特徴や利用方法について解説します。
Fusion 360
Fusion 360は、オートデスク社が提供する強力な3D CADソフトです。学生や教育関係者には無料で提供されており、一般のユーザーでも30日間の無料トライアルがあります。Fusion 360は、CAD、CAM、CAE機能を統合しており、設計から製造までのプロセスを一貫して行える点が特徴です。
クラウドベースで動作するため、複数人でのコラボレーションが容易で、データの共有やバックアップも自動的に行われます。複雑な形状のモデリングやシミュレーションも可能で、製品開発の効率を大幅に向上させることができます。
BricsCAD
BricsCADは、Bricsys社が提供する2D/3D CADソフトで、無料版と有料版があります。特に、AutoCADとの互換性が高く、既存のCADデータをスムーズに移行できます。BricsCADは、直感的な操作性と高いパフォーマンスが特徴で、2D図面から3Dモデルを簡単に作成できます。
高度なレンダリング機能やBIMツールも搭載しており、建築設計や機械設計に適しています。無料版でも基本的な機能は十分に利用可能で、3Dモデリングの基礎を学ぶのに最適です。
Onshape
Onshapeは、完全にクラウドベースで動作する3D CADソフトです。インストールが不要で、Webブラウザから直接アクセスできるため、OSを問わず利用できます。リアルタイムでの共同作業が可能で、チームでの設計プロセスを効率化します。
Onshapeは、製品設計、データ管理、分析ツールを一つのプラットフォームに統合しており、設計から製造までの一連の作業をシームレスに行えます。個人の趣味や非営利目的であれば、無料プランでも十分に利用可能です。
SketchUp Free
SketchUp Freeは、Trimble Inc.が提供するWebベースの3Dモデリングソフトです。ダウンロードやインストールが不要で、ブラウザ上で動作するため、手軽に始められます。直感的なインターフェースで、初心者でも簡単に3Dモデルを作成できるのが特徴です。
SketchUp Freeは、建築設計やインテリアデザインに適しており、豊富な3Dモデルライブラリを活用して効率的に作図できます。クラウドストレージを利用して、作成したデータをチームと共有することも可能です。
FreeCAD
FreeCADは、オープンソースの3D CADモデリングソフトで、Windows、Mac、Linuxに対応しています。無料で利用できるため、予算を気にせず始められるのが魅力。FreeCADは、パラメトリックモデリング機能を備えており、設計変更を簡単に行える点が特徴です。
機械設計や建築設計、プロダクトデザインなど、多岐にわたる用途に対応しています。多くのプラグインが提供されており、カスタマイズ性が高いのも魅力の一つです。
3D CADソフトとは?
3D CADソフトは、設計や製図を3次元で行うためのツールです。従来の2D CADが平面上の図面作成に特化しているのに対し、3D CADは立体的なモデルを作成することができるのです。
これにより、完成品のイメージをより具体的に把握できるほか、設計のミスを減らせます。ここでは3D CADソフトの基本的な知識と、有料ソフトとフリーソフトの違いについて詳しく見ていきましょう。
3D CADソフトの基礎知識
3D CADソフトは、平面で行っていた2次元図面(2D)をコンピュータ上で3次元に拡張したもので、コンピュータ上の仮想空間で立体を構築していきます。モデルを立体的に作成することにより、より具体的なイメージを掴みやすいメリットがあります。
また、3Dモデルを一つ作るだけで、平面図や断面図といった複数の図面やパースを自動的に作成してくれるのも特徴です。3次元空間上に3Dモデルを作成する方法は大きく分けて、サーフェス、ソリッド、ポリゴンの3種類があります。
有料ソフトとフリーソフトはどう違う?
有料の3D CADソフトは、無料のものと比べて使用できる機能の幅が広がります。有料版には、エクスポート・拡張機能が使えたり、カスタマイズができたりする3D CADソフトもあるでしょう。
しかし、無料でも商用利用が可能な製品もあります。使用する目的によっては、無料の3D CADソフトでも重宝するため、個人利用だけでなく企業にも普及しています。
従来、3D CADソフトは数百万円の価格帯でとても値が張るものでしたが、近年、3Dプリンターの普及によって個人でもものづくりができるようになってきた影響もあり、無料で高機能な3D CADがCADメーカーから提供されるようになってきました。
3D図面アプリのメリット
3D図面アプリを利用することで、2D図面と比べてどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、理解のしやすさ、編集や計算の簡単さ、業務効率化など、3D図面アプリならではの利点について見ていきましょう。
理解が簡単
3D図面アプリで作成された図面は、立体的に表示されるため、完成をイメージすることが容易です。2D図面アプリで完成図をイメージするには、複数の図面を読み解く力が必要であり、経験も必要とします。
また、立体的に表示される3D図面を活用することで、専門知識がない人に説明する場合にも役立ちます。
図面の編集や計算が簡単
3D図面アプリは図面を立体的に表示させるため、複数のデータが活用されています。完成品の体積・表面積・重心など、さまざまなデータがはじめから入力されているので、面倒な計算も必要ありません。
また、3D図面アプリは、計算が複雑で難しいとされている曲線の表示も可能です。従来であれば、さまざまな情報を図面から情報を拾い、数値を算出するため計算ミスなどのヒューマンエラーが発生しやすい傾向でした。3D図面アプリであれば、詳細なデータを活かすことで図面編集や計算を簡略化できることがメリットです。
業務を効率化できる
3D図面アプリを導入することで、業務全体の効率化が図れます。設計から製造までのプロセスが一貫して行えるため、データの転送や変換の手間が省けます。さらに、クラウドベースのソフトウェアを使用することで、複数のメンバーが同時に作業を進めることが可能になります。
例えば、Onshapeは完全にクラウドベースで動作し、リアルタイムでの共同作業が可能です。これにより、設計チーム全体のコラボレーションが向上し、プロジェクトの進行がスムーズになります。
無料で使いやすいCADは?
無料で使えるCADソフトには、機能面で制限のあるものもありますが、中には初心者でも扱いやすく本格的な設計が可能なソフトもあります。ここでは、そんな無料で使いやすいおすすめのCADをいくつかピックアップしてご紹介します。
操作が簡単で直感的に使えるのが特徴の「SketchUp Free」は、豊富な3Dモデルライブラリを備えており、パーツを組み合わせるだけで手軽に立体モデルが作成できます。Webブラウザ上で動作するため、面倒なインストール作業も不要です。
もう少し本格的な機能を求める方には、パラメトリックモデリングにも対応した「FreeCAD」がおすすめです。オープンソースで開発されている完全無償の3D CADで、機械工学やプロダクトデザインなどの幅広い分野で活用できます。直感的なインターフェースで、慣れれば複雑な形状の設計も可能です。
手描きに近い感覚で設計ができる「Fusion 360」は、手軽さと高機能さを兼ね備えた3D CADソフトです。スカルプトやサーフェスモデリングなど、フリーフォームな造形に適したツールが充実しています。非商用の個人利用であれば、1年間無料で利用可能です。
2DCADと3DCADの違いは何ですか?
CAD(コンピュータ支援設計)は、設計作業を効率化するために広く使われていますが、2D CADと3D CADにはそれぞれ異なる特徴と利点があります。ここでは、2DCADと3DCADの違いについて詳しく解説します。
2DCAD(2次元CAD)は、平面上に図面を描くためのツールです。建築図面、機械図面、電気回路図など、さまざまな用途に使われています。2D CADでは、図形や線、寸法、注釈を平面上に配置して図面を作成します。従来の手書き製図をデジタル化したものであり、操作が比較的簡単で直感的です。しかし、2D図面では立体的なイメージを把握するのが難しく、複雑な構造や詳細を表現するのに限界があります。
一方、3DCAD(3次元CAD)は、立体的なモデルを作成するためのツールです。3D CADを使うことで、物体の形状、寸法、素材、質感などを詳細に設計できます。立体的な視点からの設計が可能なため、完成品のイメージをより具体的に把握できるだけでなく、設計のミスを減らすことができます。
また、3D CADではシミュレーション機能があり、動作確認や負荷テストなども行えます。これにより、設計の精度を高め、製造プロセスを効率化することが可能です。例えば、FreeCADは、パラメトリックモデリング機能を備えた3D CADソフトで、設計変更を容易に行うことができます。機械設計や建築設計、プロダクトデザインなど、幅広い用途に対応しています。
2DCADと3DCADは、それぞれ得意とする分野が異なります。設計対象や目的に応じて、適切なCADを選択することが大切。2D CADと3D CADの違いを理解し、自分の目的やニーズに合ったツールを選ぶことで、設計作業の効率と精度を大幅に向上させることができます。最近では、2Dと3Dの両方の機能を備えたCADソフトも増えてきているので、用途に合わせて柔軟に使い分けるのもおすすめです。
Fusion360は無料で使い続けることはできる?
Fusion 360は、オートデスク社が提供する強力な3D CADソフトで、設計から製造までのプロセスを一貫してサポートする多機能なツールです。しかし、Fusion 360を無料で使い続けることができるのかどうかについては、気になる方も多いでしょう。ここでは、Fusion 360の無料利用に関する詳細を解説します。
Fusion 360は、基本的に有料のソフトウェアですが、特定の条件下で無料で使用することが可能です。以下の条件に該当する場合、無料で利用を続けることができます。
● 教育目的::
学生や教育機関に所属する教員は、証明書類を提出することで、無料でFusion 360を利用することができます。教育ライセンスは1年間有効で、必要に応じて更新可能です。
● スタートアップおよび趣味利用:
年間売上が100,000ドル未満のスタートアップ企業や、個人の趣味として利用する場合にも、無料ライセンスが提供されます。この場合、使用目的を証明する必要があり、こちらも1年間のライセンスとなりますが、条件を満たせば更新が可能です。
● 非商用プロジェクト:
非営利団体や、非商用のオープンソースプロジェクトに従事している場合も、無料で利用できる場合があります。
Fusion 360の無料プランを利用するには、オートデスクの公式サイトから申請手続きを行う必要があります。また、無料ライセンスには機能の制限がある場合がありますが、基本的な設計やモデリングには十分対応できます。
詳しくはオートデスクの公式サイトやサポートページを確認し、自分の利用目的に合ったプランを選択することが重要です。無料ライセンスの条件を満たさない場合でも、30日間の無料トライアルが提供されているため、まずは試してみることをおすすめします。
まとめ
2D図面を3D化したい方におすすめの無料CADソフトを紹介しました。3D CADは立体的なモデルを作成でき、設計ミスを減らせるメリットがあります。一方2D CADは操作が簡単で、平面図面の作成に適しています。用途に応じて2Dと3Dを使い分けるのがポイントです。無料で使いやすいCADには、SketchUp FreeやFreeCAD、Fusion 360などがおすすめ。3D CADで図面を自在に操り、設計の効率と精度を高めましょう。
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